Proof of Solvency(支払い能力証明)は、Proof of Reserves(準備金の証明)とProof of Liabilities(預り資産の証明)の2つの結果として得られるもので、保管されている資産の総額が顧客の預り資産の総額よりも大きいことを検証するための暗号技術による仕組みです。
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Proof of Reserves(準備金の証明)について 準備金の証明とは、お客様の資産を取引所が実際に所有していることを示すための仕組みであり、この証明には「ゼロ知識証明(ZKP)」が用いられます。ZKPとは、ある一方の人物が、他の人物に対して、何らかの知識を持っていることを、それに関する追加情報を開示することなく証明することを可能にする技術です。また、取引所は、各ウォレットについて検証可能なデジタル署名を生成することによって、当該資産を含むウォレットが管理下にあることを証明する必要があります。
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Proof of Liabilities(預り資産の証明)について 預り資産の証明とは、取引所が保管するすべての預り資産が存在し、かつその預り資産が正確に計算されていることを検証する暗号技術による証明です。この証明は、お客様の預り資産に関する機密情報を明かすことなく、第三者によって検証可能な仕組みとなっています。暗号資産の保管において、預り資産とは、取引所がお客様から預かっている資産を指します。例えば、あるユーザーが取引所に10BTCを預託した場合、取引所はそのユーザーに対して10BTCの分別管理義務を負っているということです。さらに、このような技術をより信頼性の高いものにするため、zk-SNARKS技術を用いて、取引所が改ざんや不正行為を行うことができないようにしています。
これらの2つの要素を考えると、その意味は以下のように簡単に理解できます。証明可能な準備金は証明可能な預り資産を上回っていなければならないということです。取引所で保管されている資産がお客様の預り資産を上回っていることを示す、暗号技術によって保証された証拠がブロックチェーン上に公開され、お客様や第三者が https://etherscan.io/ のようなブロックチェーンエクスプローラーを使って検証することができます。
もし、取引所が資産を暗号資産で保有している場合、取引所は準備金の計算に含まれるウォレットの秘密鍵を所有していることを証明する必要があります。取引所は、準備金の計算に含まれるウォレットのデジタル署名を生成することで、該当するウォレットを所有していることを証明できます。そして、ウォレットに対して有効なデジタル署名を作成するためには、秘密鍵が必要となります。公開鍵/秘密鍵の詳細とデジタル署名の仕組みについては、デジタル署名の章をご参照ください。
Solvenscanで当社のProof of Solvencyを検証する方法
当社が提供するProof of Solvencyは、Provenが開発しているSolvenscanを用いて検証することができます。
Solvenscanの使い方は以下の通りです。
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Solvenscanのサイトにアクセスする。https://solvenscan.io/FTX%20JP
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公開された最新の証明が “検証結果: True” であることを確認してください。